鏡の中の黄昏蝶1話〜27話
□鏡の中の黄昏蝶7
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ダンテは買い物に出かけたこのみとレディを見送った後、まず警察署へと向かった。
エボニー&アイボリーを返してもらうためだ。
そのついでにこのみの方の調査がどれくらい進んでいるのか聞いておきたい。
警察署に入ろうとした時、大量のビニール袋を積んだトラックがダンテの横を通り過ぎた。
その袋の中にはわんさと蝶が詰まっている。
昨日の騒ぎの蝶だろうか。
いくら蝶といえども、ビニール袋に何百と詰められている様子は気持ちが悪い。
丁度そのトラックを見送りながらため息をついているマークを発見して、ダンテは彼の名を呼ぶ。
「マーク!」
「おお、ダンテ。お嬢ちゃんは無事だったか?悪いな、警察署で預かれなくて」
マークの言葉にダンテは頷く。
「このみなら無事だから安心しろ。それより、調査のほうは進んでるのか?」
その質問に、マークはうう、とうめき声をもらす。
「それが……今日半日ずっと警察署の掃除でそれどころじゃなかったんだ。
なにしろ半端じゃない量の蝶だったからな……。
お前らが出てった後急に大人しくなって、力が切れたみたいにバタバタ死んでったんだよ。
生物学者まで来て大変だったんだぞ?とりあえず表向きは蝶の異常発生ってことになったけど」
つまり、全く進んでいないということか……。
呆れ顔のダンテに、マークは慌てて弁解をする。
「だが、もう大使館や日本の警察には連絡した!明日には報告できると思う。
お嬢ちゃんの保険証や学生証、預かったままだが問題はないな?」
「まあ、病院行く機会もないだろうし警察が預かってるならいいんじゃねえの。
あと、俺の愛銃を返してもらいたいんだが。あれがないと仕事ができないんでね」
「ああ、ちゃんと保管してある。返却するにはちょっと手続きがいるんだが……」