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□雲雀の誕生日
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世間一般的にはゴールデンウイークに入る頃、正十字学園も同様ゴールデンウイークに入り休みになった5月5日。

本来なら祓魔塾では休みの日であっても祓魔師(エクソシスト)になる為の勉強やら訓練やらを積むのだが、流石に今日は「子供の日」という事で休みとなっていた。










「ミードリータナービクー ナーミーモーリーノー♪」


雲雀はヒバードの唄声で目を覚ました。


「…ヒバードおはよう。それより少し音程ずれてるよ。」


そう言ってベットから起き上がるとクローゼットに手を掛け着替えを始める。

そして丁度着替え終わった時、扉を「コンコンッ」とノックされた。


「…綱吉かい?」


部屋の扉を開けるとそこには雲雀の思った通り綱吉がいた。


「よく分かったね?」

「気配とかで分かるよ、キミだってそうでしょ?」

「ははっ、まぁね♪」


綱吉はふんわり笑うと雲雀の部屋にあった椅子に腰掛ける。


「…で、何しに来たの? 基本的にキミ、朝には強くない方じゃない。」

「まぁ、そうだけど…。」





基本的に綱吉は朝には強い方ではない。

それでもダメダメだった中学の頃よりは格段には強くなっているが、人間基本性質はそう簡単には治らない。

今でも朝早くに緊急などのそういった事態を除いて以外に起こされるとなると、いくら温厚な綱吉であっても機嫌が悪くなる時の方が多かったりする。





「恭弥、今日何の日か分かる?」

「子供の日。」

「他には?」


そこで雲雀は首を傾げる。見たところ何も思い当たる節は見つからないようだった。


「…何かあったっけ?」


雲雀は素直にそう言うと綱吉は「…はぁ。」とため息を吐いた。


「確か恭弥って一昨年も忘れてたよね…。」


そこで言葉を一旦切り綱吉は雲雀の目を真っ直ぐに見ると笑みを浮かべた。


「Buon Compleanno,Kyoya!」


一瞬目を瞬かせるもののすぐに合点がいったようで雲雀もうっすらと笑みを浮かべた。


「Grazie.」


それを聞いた綱吉は嬉しそうに微笑むと席を立ち部屋の扉に向かった。そして雲雀の方を振り返ると口を開く。


「さぁ恭弥、今日はファミリー水入らずで出掛けるよ。」

「…それを言うなら『家族水入らず』でしょ。」

「俺達にはこっちのが良いだろ?」


そう言って嬉し楽しそうに笑う綱吉に雲雀も吊られ笑みを浮かべる。


「さぁもう皆外で待ってる、早く行くぞ。」


言うやいなや部屋を出て行く綱吉を見て雲雀もついて行こうと歩を進める。

しかし進ませかけた歩を一旦止めると目を瞑った。


「(…昔の僕だったら群れるなんてお断りかもしれないけど、…今は群れるのも悪くない、かな…。)」


そして部屋を振り返り窓辺でまだ唄声を響かせている相棒へ向かって声をかける。


「…ヒバード、早く来ないと置いてっちゃうよ?」

「!! イッショイク イッショイクー!」


ヒバードは羽ばたき雲雀の肩へと身を落ち着けた。

そして雲雀はそれを確認すると部屋を出て自分が来るのを待つファミリーの元へと向かうのだった。





この日雲雀はファミリーの皆から祝福の言葉やらプレゼントやらを貰い、他にも「群れるのは嫌だ。」とか言いつつもショッピングなどを楽しんだという…。



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