R×B SS
□骸の誕生日
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「…何ですか? これ。」
骸の手には一通の手紙。否、あまり脅迫にはなっていない謎の脅迫状…。
そこにはこんな事が書かれていた。
骨ξ
むくろへ きょう迫状
お前の大事な人達は預かった!
ふははははー!
返してほしけりゃ夕方06時にこの指定された場所に来い!
絶対来て下さい!
「…燐の字。…頑張った感は否めませんが、なんか色々ツッコミたい脅迫状ですねぇ。骸と脅迫状という字が分からなかったんですね。しかも最後は脅迫じゃなくてお願いではないですか…。」
「はぁ…。」とため息を吐く骸。
「(大事な人達とは綱吉くん達の事でしょうが捕まるような人達ではないですし、…なんか企んでるんでしょうか。) …クフフ、まぁ良い。その企みとやらに乗ってあげましょう。」
そして時刻は指定された時刻06時の05分前、指定された場所の前に骸は今いる。
「さて…、どんなものが飛び出すのやら…。」
そう言い扉に手を掛け手前に引いた直後、部屋の中からは鼓膜を大きく震わす乾いた音と歓声が聞こえてきた。
「「「骸、誕生日おめでとー!!!」」」
中を覗くとそこにはクラッカーを持った祓魔塾生達が自分を迎えている。
そして少し視線をずらせばそこには綱吉達もクラッカーを持って立っているのが見える。
「…これは?」
自分の置かれている状況を瞬時に理解出来なかった骸の口からは思わず力が抜けているかのような声が出てしまっていた。
「これは? …ってこりゃぁお前の誕生日パーティだぜ♪」
「この前クロームちゃんがね? 骸くんの誕生日が近いねって綱吉くんと話してたからこのパーティの事計画したんだよ♪」
「ほらほら、主役がいつまでも入口に突っ立って居らへんで中に入りぃ!」
「早よせんと綱吉や燐達が作った料理、冷めてまうやろ!」
「はい、グラス持ったら主役は真ん中に行きなさい!」
そう言われ飲み物の入ったグラスを受け取った骸は背を押され部屋の中心へと移動させられた。
すると同じくグラスを手に持った雪男がグラスを持っている手を少し上に掲げ乾杯の音頭を取るべく声をあげる。
「…えぇと、では難しい言葉はテンション下がりますのでカットしまして…。骸くん誕生日おめでとうございます♪ 乾杯!」
こうして雪男の掛け声により骸の誕生日パーティは始まった。
骸は燐達に誕生日プレゼントを受け取り「早く開けないの?」という皆の心の声に急かされるように封を開ける。
「…って何故皆パイナップル!?」
骸が全ての封を開けそこに出てきたのは…、パイナップルを模した品々。
「なんやお前見てるとパイナップル思い出すんや。」
「あはははっ、皆考える事一緒なんだな!」
「そういえば私のはパイナップルの髪紐にしたんだよ♪」
「あははっ、こりゃぁ今度からそれ付けなあきませんなぁ!」
「…一体皆僕を何だと思ってるんですか。」
その後、催し物としてくじ引きを引いてアタリを引いた者同士がデュエット曲を歌わさせられたり、即興漫才をやったりと大盛り上がり。
中でも綱吉とクロームがデュエット曲を歌いその美声を披露したり、燐と勝呂による即興漫才を披露した時は特に盛り上がりを見せているようだった。
そしてその日は夜遅くまで皆楽しく騒いでいたという…。
「…そういえば、綱吉くん達からはシルバーアクセサリーを貰いましたよ。クフフ…、これ結構気に入ってるんです♪」