MaIn

□忘却
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素敵な夢を見た。花と光にあふれた夢を。
そばには君がいて、すごく幸せだったんだ
忘れ去りたい記憶はすべて頭の中から
放り出した、なかったことにした。

赤い踏切、しかれたブルーシートから
のぞく白い手は君のものだったんだ。

聞きあきた君の口癖を頭の中でリピートした
一緒に見たもの、この手に残るぬくもりが
あの日のことをフラッシュバックさせる。
「忘れたはずの記憶」=「忘れたい記憶」
だったんだ。

君を探しに出かけた。ボクは君がいないことをなかったことにしたから、もう手の届かない場所に行ってしまったことを本当のボクは知っていた。

枯れた涙も、失った笑顔も、未来のボクの
あたりまえになるのかな?

ただおぼつかない足取りで歩き続けた。
ただ君を探して、道に残る血痕がいやな気分にさせるよ。絶望的な心境で天を仰いだ。



君がいる世界へ―また会えるね―

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