十四支

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「…うん、おいしい…。」
透が作った味噌汁を食べながら呟く由希。
「本当…流石透だわ。」
ニッコリと笑いながら言う音流。
「ホントですか。
味薄くないですか。」
まだ不安げに尋ねる透に微笑んだ2人。
「丁度いいよ。」
「美味しいわ。」
そこで漸くホッとしたように笑う透。
「それにしても、紫呉とバカ猫はどこまで出掛けてるんだろう。」
「そうですね…。
随分朝早く出たみたいなのに遅いです…。」
「別にいいけど。」
「折角透が作ってくれた料理が冷めちゃうわ。」
由希は無表情に。
音流は少し不満げに。
その様子を見ながら微笑んだ透。
「草摩君もさっき出掛けてましたね。
お買い物ですか?」
ひたすらモグモグと食べ続ける由希は一旦飲み込んだ。
「ああ…裏庭の、……秘密基地に。」
その言葉に透は違うものを想像する。
「秘密基地!?
うわぁ…っドキドキする響きですねっ!」
「透が考えてるのとは違うと思うわよ…。」
「よかったら今度招待するよ。」
「ええ!?
いいんですか!?
うっ嬉しいです、秘密基地っ!」
それからも何か言っている透を見て、由希と音流は静かに微笑んだ。
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