Butler of goddess

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―デーア宮―

「…何故か、今日はとても疲れたわ。」
ふぅ…と小さく溜息を吐いて、愛は言った。
「大丈夫か?
…夕飯まで、まだ時間はあるな。
少し休もう。」
本当に疲れた、と言った感じで椅子の背もたれに体を預けている愛に、
理人は時間を確認してから言った。
「…ええ。そうするわ。」
頭を抑えながら立ち、理人を支えにフラフラと寝室へと歩く愛に、理人は溜息を吐いた。
「…無理はするなよ。
辛いなら、いつでも俺に言え。」
優しく、そう言った理人に愛はそうする…と呟き、ベッドに横たわる。

寝室から出て行こうとする理人の服の袖を、愛は掴んだ。
とても弱い力だったが、理人は気付いた。
「…どうした?」
愛に近付き、しゃがんで目線を合わせると、訊ねた。
「……傍に、いて?」
せめて、私が眠るまで…。
そう言うと、理人は一瞬驚いた顔をしたが、
「ああ…。
ずっと、傍に居るよ。」
と優しく微笑みながら囁き、愛は安心したように微笑んで瞳を閉じた。
その時、一筋の雫が愛の頬を伝った。

愛から静かな寝息が聞こえ始めると、
理人は優しく愛の頬の雫を指で拭って、呟いた。
「―安心しろ。
俺は、例えお前が嫌だと言ってもずっと…傍に居るから。
俺は、愛の前から消えないから。」
その時、僅かに愛が微笑んだ気がした―。
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