Butler of goddess
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―コロッセオ
コロッセオに行けば、騒がしかった辺りが嘘のように静まり返る。
だがそれも一瞬の事。
次の瞬間には、水が溢れ出すかのように騒がしくなった。
周りは、
「デーア様よ!!」
「なんて美しいの…!!」
「輝いているわ…!!」
とかなんとか言っていたが、愛は気にせずに2年のところへ行った。
「愛姉ー!!」
「みるく、」
愛の姿を見ると、みるくは愛に飛びついた。
「愛姉も食べるか?」
そう言って差し出されたのはPOTATOと書かれたスナック菓子。
それを断ると、みるくは少し残念そうにしながら椅子に座った。
「愛、すっごく綺麗よ!!」
「ありがとう、不二子。」
それから他愛も無い雑談をしていると、10時に近付いていることが分かった。
「そろそろ10時よね…。」
「遅せーな、メイちゃんたち。」
「逃げたかもな。」
お菓子をポリポリと食べながら言うみるくに、大門は
「え…えぇ!?」
と焦っていた。
「……怖くなったのかしら、東雲メイさん?」
小さく。
誰にも聞こえない程に小さく呟いた愛の表情は、とても冷たかった。
その呟きをただ一人聞いていた理人は、誰にも見えないように愛の手を握った。