Butler of goddess

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―次の日。
愛は、ルチア宮に来ていた。

「詩織姉様。」
温室の扉を開けて、顔を覗かせると、ルチア―本郷詩織の姿があった。
愛に気付き、その顔はパッと輝いた。
「愛!!」
「予定より遅くなってしまい、申し訳ございません。」
そう言って頭を下げると、詩織は微笑んだ。
「そんなの、気にしてませんわ。
どうぞ、お上がりになって。」
「ありがとうございます。」
ニコッと微笑んで、理人と一緒に温室に入った。
忍は居ないようで、少し不思議に思ったが今日はソーレの会合があった事を思い出し、納得した。

談笑していると、温室のドアが開いた。
(…忍ではないわよね。
執事なら、音を立てずに入ってくるはずだもの。)
ドアの方に振り向くと、理人が前に出た。
三人の視線が、ドアに集まる。
詩織や愛に寄ってきていた小鳥を手に乗せていると、急に大きな物音がした。

ドサッ!
「あっ!!」
その音に反応して、小鳥が逃げていく。
そこに目をやって、愛と理人は目を見開いた。
(どうして、よりにもよって―。)
そこに居たのは、東雲メイだった。
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