Butler of goddess

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(愛が拒絶するのは“東雲 メイ”だ。
愛にとって“本郷 メイ”などただの跡取り候補に過ぎない―“表面上”は。)
“東雲”は愛を捨てた家だ。
“東雲”でなくなった“メイ”という人物は拒絶する理由がない、と愛は思っている。
しかし、幼い頃にされた仕打ちをハッキリと覚えている愛は、それを簡単にできる筈がない。
メイに何かをされた訳では無くとも、メイが居なければ愛はもっと大事にされていたかもしれないのだから。

普通に接していく度、愛の心の傷は抉られていったのだろう。
だから最近顔色が優れていなかったのだ―。
理人は、そこまで考えると疲れたように目を閉じた。
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