Butler of goddess

□7
3ページ/5ページ



そして、舞踏会当日ー。


周囲は白やピンクといった薄い色のドレスばかりで、
愛は余計に目立っていた(ついでに理人も)。
しかし既に注目を浴びる事に慣れきっている愛(と理人)は、
周囲の痛いほどの羨望や憧れの眼差しにも笑顔で返していた。
「スゴく似合ってるわ、愛。」
2学年にして大人の色香を纏っている不二子(まあ同い年じゃないけど)は、
露出の多い華やかなドレスを着ていた。
「ありがとう、不二子。
不二子も良く似合ってるわ。」
寧ろこのドレスは不二子以外似合わない気がする…
そんな事を考えながら談笑していると、
いつの間にか2学年の生徒が集まっていた。
「愛姉、黒はみるくとお揃いだな!」
「そうね。」
みるくは愛に飛びつこうとしたが、大門に抑えられて少しご機嫌斜めである。
しかし愛が微笑んで頭を撫でると、
先程の不貞腐れた顔が嘘のように可愛らしい笑顔になった。
「愛、似合ってるけどどうして暗めの色なのよ…」
リカが呆れたように言う。
「ふふ…私に明るい色は似合わないもの。」
「そんな事ないよ。」
「泉、」
私の心は、負の感情で渦巻いている。
だから、私に明るい色は似合わない。
密かにそんな意味が込められている言葉に、泉が微笑みながら否と言う。
リカや不二子、みるく、そしてどこから出てきたのかタミーも頷いていた。
「…ありがとう。」
愛が本当の笑みを見せ、その場にいた2学年以外の生徒と執事が一瞬固まった。
そして理人は(全くの無表情だが)癒されたと同時に泉達に嫉妬していた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ