Butler of goddess

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そんな中、メイがやってきた。
「あら、似合うじゃない。
そのドレス。」
と、前々代女王の不二子が言い、
「ドレスだけ良くってもねー。」
と、前代女王のリカが言い、
「今夜はゆっくり楽しもうね。」
と、今期最有力の泉が言う。
そして、極めつけに。
「そんなに緊張しないで。
こういうのは楽しめたら勝ち、なんだから。」
と、毎回密かに女王を辞退している愛が言うと、
メイの自信はドン底に落ちてしまった。
そんなメイの頭をドンマイ、と棒読みで言ってそうな感じで
みるくがぽん…と叩いた。
そしてタミーが
「泣くな‼︎
今夜は食い放題じゃけん…‼︎」
と励ますと、メイが半ばヤケクソで立ち上がった。
…食べる気満々で。
しかしそれを真人が制した。

一連の2人の様子を見ながら、理人も愛の耳元で囁いた。
「…この料理、口にするなよ。」
「わかってるわ。
…そもそも、私は理人の料理以外は口にしたくないもの。」
愛が小声でそう返すと、理人が心なしか嬉しそうに微笑んだ。
「では、一曲ご一緒して頂けますか?」
そのまま手を差し伸べられた。
「ええ、喜んで。」
笑顔でその手を取り、踊り出す2人。
その光景は、さながら絵画のように美しく、誰もが魅了された。

2人が踊り終わっても、まだ周囲はぼうっとしている。
そんな中、ドア近くにいた人たちがどよめいた。
そちらを見た愛と理人は、目を見開いた。



「ご無沙汰しております。
皆様方…。」
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