Butler of goddess

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ーー翌日



休校日のため、仕事に専念していた愛だったが突然理人の携帯が鳴った。

「どうした?」
その口調からして、恐らく兄弟の誰かなのだろうと思った愛は、手を止めずに耳だけをそちらに向けていた。
「…落ち着け。どうしたんだ?
動揺するなんて珍しいじゃないか。」
その言葉で、相手は真人なのだろうと確信したが、それと同時に何が起こったのか気になり、思わず手を止めてそちらを見た。
次の瞬間、理人の顔つきが変わった。
「何?東雲様が消えた?」
それを聞き、愛は目を見開いた。
一体、何があったのか。
もしや、昨日の事で何かあったのでは?
一瞬で様々な思考が張り巡らされたが、理人の電話が終わったことでそれも終わった。

「すぐに探しましょう。」
そんな愛に驚いたように僅かに目を見開くも、すぐに頷いた。
「はい。」




ーーー
「見つかった⁉︎」
「こっちは何も…」
「私のほうも…」

そんなことを繰り返すうち、真人の顔がどんどんと曇っていくのが分かった。
確かに長い付き合いという訳では無いのだが、こんなに余裕の無い真人を見るのは初めてだった。
心なしか、理人も焦っているように見えた。


そんな時。
神崎から連絡が入った。

大急ぎでそこへ行くと、タミーに網を被せられているメイが居た。

「もう捕まったのか、つまらんっ‼︎」
「日曜だってのに人騒がせだわ…‼︎」
「見つかって良かったわ…」
「めでたしめでたし♡」
「とにかく無事で安心した…」
大門は苦笑しながらみるくを止めていた。

「すみません、ご心配おかけして…」
と皆に向かって言うメイに、木場が苦笑する。
「ボクたちよりも…あちら…」
そう指差す方へ向けば。
顔をしかめている真人が居た。
「良かった…ご無事で…」
だいぶ追い詰められていたのか、真人は力が抜けたようだった。

その様子を見守り、皆帰って行った。
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