Butler of goddess

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前女王のリカによって王冠を被せられる泉。
それを見て歓声を上げる。
愛も微笑み、拍手をしていた。
しかし、泉の顔は曇っていた。
「ルチア様が辞退されての女王だからね。
やっぱスッキリしないみたいね。」
不二子の言葉に、タミーが言う。
「タナボタ女王っ‼︎」
「光を全部没収されたお前が言うなよ。」
そんなお嬢様たちの会話を他所に、執事達も繰り広げていた。
「お嬢様に仕えちまった執事はロクな人生を送れないらしいぜ。」
心なしか真人を見ながら言う根津。
「な…なんでそんなこと言うんですかぁ〜っ‼︎」
泣き出す大門。
「考えてもみろよ。
四六時中お嬢の事考えてるよーな男モテねーって。
そんなわけでまともに結婚なんてできねーし。
勿論中には仕事としてクールに割り切ってる奴もいるだろうが…

大概は、彼女たちの魔性にとっつかまっちまうってワケよ。」
その言葉に無言ながら反応を示す執事たち。
理人はそれを気にするでもなく、平然としていた。
「それでも一生お嬢様のそばにいられるなら、まあそういう幸せもアリだろうさ。
これが嫁にでも行かれてお役御免になった日きゃ…抜け殻だよな…」
尚も涙を流す大門。
「ふんっ
その点、奴は安心だな。
なんてったって天下のSランク執事様だ。
きっと鋼鉄のハートでできてるんだろ。
大体チンクシャ相手じゃ魔性も何もないしな。」

「それなら、木場も安泰ですなあ。」
未だ涙を零しながら後散る大門に、青山は顔をしかめる。
「はぁー?
なんであんなドジっ子がー?」
「…確かに。
竜恩寺泉様…室町時代から続く超名門・旧華族、竜恩寺家の次期当主。
彼女なら、他所に嫁に行くこともないしなぁ…
加えてあの美しさ聡明さ…紛うことなき血統書付きのお嬢様ってヤツだ。」
「理人さんは?」
「…あいつは別格だろ。」
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