Black Joker

□4
2ページ/5ページ


とりあえず空いていた椅子に座ったあむ。
だが、その表情は硬く、体も固まっている。
「ふふ…。
そんなに硬くならないで。
今日のお茶はマカティーよ。
スコーンも焼いてきたわ。」
マカティーを皆のティーカップに入れながら、なでしこは言った。
それに便乗して、
「やったあ!
なでしこのスコーン好っきー!!」
とAチェアの結木ややは言った。
このままでは埒があかないと思ったのか、星歌は
「自己紹介した方が良いんじゃない?」
と唯世に言った。
「そうだね。
それじゃあ、まず自己紹介から…。
ガーディアンのKチェア、辺里唯世…。
キミと同じで、春から五年生。
―それと、僕のしゅごキャラ、キセキ。」
キセキは、紹介されてもツーンとしたままだった。
「Qチェアの藤咲なでしこ。
同じく春から五年生。
この子はてまりよ。」
てまりは、優雅に礼をした。
「Aチェアの結木やや!
もーすぐ四年生。
かわいいもの大好っきー!!
こっちはペペちゃん。ヨロシクちゅv」
ぺぺは、赤ちゃんらしくちゅ、と言って挨拶した。
「Jチェアの相馬空海。六年。
サッカー部主将も兼任してる。
コイツはダイチ。」
ダイチはニカっと笑った。
「相馬くん、“春から六年”、でしょ。
まだ卒業してもらったら困るよ」
そう訂正を入れる星歌に、空海は笑った。
「ワリーワリー!言葉の文ってやつだ。」
そんな空海に溜息を吐いて、星歌はあむに向かって微笑んだ。
「私の事は知ってるから、省くね。
しゅごキャラは―
あむから見て右がローザ、左がロゼ。」
ローザはフンッと鼻を鳴らし、ロゼはニコニコと笑った。

「え…えっとぉ、あたしは…「大丈夫よ…。
皆、貴女の事は何でも知ってるわ。
日奈森あむさん。」
くす、と上品に笑うなでしこに、あむは一瞬固まった。
「ホントに人見知りなんだぁ、カワイイ〜」
「後は、怖い話が苦手なんだってな。」
「なっ、なんでそんなことまで!!」
驚きを隠せないあむに、なでしこは微笑んだまま言い放った。
「生徒の個人情報を管理するのがガーディアンの役割ですから。」
「逆にプライバシー侵害じゃんよ!!」
そんななでしこの言葉に憤慨するあむ。
「…そして、あむのしゅごキャラ、ランにミキ。」
しゅごキャラ、という単語に反応を示したあむは口を開いた。
「“しゅごキャラ”って一体何…?教えて…!」
すると、唯世は絵本を差し出した。
「これ、読んでみて。」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ