Black Joker

□5
4ページ/6ページ


「できたー!」
満面の笑みでタルト生地を見ているあむに、なでしこは言った。
「綺麗に焼けたわね。
粗熱をとる間に、中につめるクリーム作っちゃいましょ。
あむちゃん、これ泡立ててね。」
そしてドアを開けるなでしこに、あむは訊いた。
「え…どこいくの?」
「かざりつけのフルーツ持ってくるわ。」
そして出て行ったなでしこ。
「自信ないなぁ…。」
「大丈夫だよ、あむ。
私がいるもん。」
ニッコリと笑うと、あむも少し微笑みながら頷いた。
「うまくできるかな…。」
そう言いながらクリームを混ぜていると、あむのもう一つのたまごから声が聞こえた。
それと同時に、泡立て器も独りでに動く。

…が、それは一人の青年によって止められた。
「はい。終ー了ー。」
ニヤッと笑いながらいう、黒猫のしゅごキャラを連れた青年―月詠 イクト。
「あっ…アンタはこないだの…ネコミミコスプレヘンタイ男!」
「コス…って、おまえ…。」
こないだ、という言葉に首を傾げる。
会った事があるのだろうか。
「イクト。
堂々と不法侵入?」
薄らと微笑みながらも目は笑っていない星歌に声を掛けられ、
星歌が居る事に気付いたイクト。
「何で星歌が…。」
「…ここは聖小だよ?
居ても可笑しく無いでしょ?」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ