Black Joker

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―ガラッ
「あっ、星歌様!!
おはようございます!!」
教室のドアを開けると、すでに定例となっているクラスメート達の挨拶。
「おはよう、皆。」
微笑んでそう言うと、周囲が赤面したのも気にせずクラスを見渡した。
その後ろから、お目当ての少女―日奈森 あむが来た。
一瞬静かになったものの、次の瞬間にはわぁっと日奈森さんに駆け寄っていく少女達を見て小さく微笑み、ドアの近くに背を預けて彼女が来るのを待っていた。


ーコツリ、廊下を歩く足音は、星歌の聞き覚えのある人物のものだ。

ガラッ
また誰かが教室のドアを開けた。
それが誰なのか、廊下を歩く足音で分かった星歌は凭れていた壁から離れてその人物の横に立った。


「失礼します。」
そう言って入ってきた人物に、教室内はまた一瞬静かになる。
「ガーディアン…!
Qチェアの藤咲なでしこさま!」
なでしこは慣れている様子で少しだけ口元を緩めて足を動かした。
「日奈森あむさんね…?」
薔薇ので封蝋で留められた真っ白な封筒を日奈森さんに渡す。
そして星歌も口を開く。
「今日の放課後、ロイヤルガーデンで待ってるね、日奈森さん。」
ニッコリと笑うと、ほんのりと顔を赤くしていたあむがポカンと口を開けた。
そして、なでしこが囁く。
「辺里くんから伝言よ。
たまごの事、教えてあげる。」

そして、なでしこは去っていった。
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