Black Joker

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なでしこが廊下に出てから騒がしくなった教室に溜息をつくと、星歌も気付かれないくらい静かに廊下へ出た。
星歌の行動が分かっていたらしいなでしこはドアの近くで待っていた。

「…いつ、孵るのかなぁ。」
主語が抜けていても、なでしこ―なぎひこには通る。
「さぁ…案外、今日かもね。」
昨日今日と続けて生まれるかも、と冗談めかして言うなぎひこ。
…実際、星歌の場合は2人同時に孵った。
星歌以外に複数たまごを持っている人はこの聖夜小には居ないので、なんとも言えない。
「…黒猫さんが来なきゃ良いけど。」
そう言って肩を竦めれば、なぎひこも苦笑する。
「…そうだね。」
来なければ良い。
その表情からそう言っているように感じて苦笑する。
するとチャイムが鳴る。
…相変わらず星組は煩いが、仕方ない。腹をくくることにした。
「じゃあ、また後で。」
「えぇ。」
瞬間的になでしこに戻ったのを見て、小さく笑った。
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