十四支

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「…猫に、なってしまいました…。
青年-ヒト-だったはずなんです、けど。

ああっ!?
もしかして私がぶつかったせいで…
打ち所が悪くて猫にっ!?」
「いや…うん、あのね?」
何故その考えに行き着くのか、と紫呉は眉間を押さえながら思った。
由希と音流、そして猫は相変わらず黙っている。
「とにかく病院へ…っ!」
それはまずい。
というか、病院へ行くまでに“戻って”しまう。
そう考えていると、天井から結構大きい欠片が落ちてきた。
危ない。
直感的にそう感じた音流は透の名を呼んだが、間に合わなかった。
「透っ!!」
ゴンッ
大きな音を立てて、欠片は透の頭に落ちた。
「透君!!」
「本田さん!?」
透は反動で二人のところへ倒れた。
「「あ。」」
ボッ
ボン
そんな音を立てて、紫呉は犬に、由希は鼠に変わった。
透は目を見開いて固まった。
「……何やってるのよ。」
ただ一人、音流だけは頭を抱えて呆れていた。
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