十四支

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―学校

「良かったです…っ。
洗濯機、貸してもらえて。」
「ひでぇカッコだったもんな。
どーいう転び方したんだか。
スライディングしたのか?」
その言葉に苦笑するしかない二人。
「あはは…ごめんね?透。助けれなくて。」
二人一緒に登校中に転んだ、という事になっているのでそう言うと、
透は焦るように言った。
「いえ、そんなっ…全然大丈夫です!!」
すると、嫌味がかった声が聞こえた。
「あ。
あーら、洗濯しちゃったのォ?
ドロ姿似合ってたのにィー。」
「南。」
咎めるような、けれどやんわりとした音流の声に、
南は押し黙ったが、咲が独特のオーラを出しながら南を早歩きで追いかけると、
南も早歩きで去っていった。
「今日王子様も遅刻してきたからな。
変に勘ぐってんだよ。
バッカじゃねぇの。頭ヒマだねぇ。」
髪を掻き揚げながら言うと、透は苦笑した。
音流はいつの間にか戻ってきて壁から顔を半分出している咲に気付き、
苦笑していた。
「わ、私更衣室で着替えてきますね。
はなちゃんもありがとです。」
「行ってらっしゃい。」
ニコ、と微笑んでいうと、透も微笑み返した。
「はいっ、行ってきます。」
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