十四支

□7
1ページ/4ページ



―次の日。



「どこ!?
どこに居るの!?」
「ホラあそこっ!
オレンジ頭の子よぉっ!」
「ええ!?似てないじゃんっ」
「かわいいよー」
「ねぇ君本当に草摩君や音流ちゃんのイトコ!?」
「草摩君達と仲いいの!?」

どこから仕入れてくるのか、まだ朝だというのに夾の事が知れ渡っていた。
女子に周りを囲まれ冷や汗をかく夾を尻目に咲は透の髪を弄り、音流とありさはその隣に居た。
由希にも火の粉がかかってきたらしく、絶対零度の笑みを湛えて応対している。
知っている者からすれば冷や汗ものだろう。

「いい色してんじゃん、あの頭。
今日子さんの髪の色と少し似てるよな。」
「そーいえばそうですねっ」
「言われてみれば…」
「おい、アイツ音流の従弟なんだろ?」
「従弟では無いわ。親戚だから血は繋がってるけどね。
それに、夾と由希はすごく仲が悪いから私ともあまり…ね。」
言葉を濁して苦笑する音流の言い分に納得したらしく、へぇ…と相槌を打った。
「…そう同じ……。
同じなの、同じなのよ。
音流や草摩由希と同じ電波を感じるのよ。
これは何?何の気配?
人とはまた違う電波…。」
初対面でそれを言われてギクリとしたことを覚えている。
さすがに今となっては慣れたもので、軽口を叩く程度に収めているが。
「…咲、それ私に失礼って気づいてる?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ