哀愁
□緑葉
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緑を背負う乾いた皮膚をした木々はやがて先端が紅に染まっていく。
紅い葉は短い期間にその美しい胴体を互いに呼び合うかの如くさらさらいう。
やがてくたびれた紅葉は黄色に変色し、または黒くなって、地に帰って行く―・・・・
次の日の朝、僕が学校に現れた時のみんなの反応ったらなかった
。
白いペンキで古さを隠そうとした名残をもつドアに手をかけ、僕は
いつもの教室入っていく。
「おい、愁人!どうしたんだよ
お前。・・・学校から逃げ出した挙句、休むなんてよ!」
蓮が僕に掴み掛かった。そうだな
。僕が休むなんて珍しい。
僕は滅多に学校を休んだことがなかった。
「愁人。もしかして、一昨日の事きになってんのか?」
蓮よりも僕を分かってくれている
体格のいい翠は心配そうに僕の顔色を覗き込む。・・・僕は瞳を、逸らす・・・
「なんだ・・?一昨日の事って」
蓮は顔を顰めた。僕は焦った。この事を蓮に言ってしまえばきっと僕のことを軽蔑してしまうだろう
。
蓮と僕は昔、一緒になってよく千秋をいじめていた。
一方、翠は口で言うだけで手は出さなかった。
まぁ、一言でいうならば蓮は凶暴
で、翠はどっちかというと温和な
やつだった。
「なんでもないよ・・・気分悪かったんだ。」
僕は嘘をついた。・・友達についたのは、初めてだった。