哀愁
□擁葉
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彼女は前より一層白くなっていた。
この数年間ちゃんと学校行ったのだろうか?
友達はできただろうか?
あの頃、僕は彼女の一部分の人生を、滅茶苦茶にした。
今もなお、彼女の心にその苦しみは残っているに違いない・・・
しかし、今、彼女はそれを乗り越え、僕の前に存在することを思い知らされた・・
彼女はいきいきしていた。口がきけないが、一生懸命友達を作ろうと頑張っていた。
その姿が輝かしかった。美しかった・・・僕は次第に自分のイラつきが増大していることに気がついた・・・
どうして、僕はこんなに彼女に対して腹が立つんだろう・・?
しかも、僕は彼女が気がかりなはずなのに、未だに話しかけられずに居た―・・・
「おい、愁人。・・・どうしたんだよ?お前・・・ずっとあいつばかり見て・・」
いつの間に翠が僕の斜め左に居た
。
僕はびっくりしていた。
「あいつ・・・あの時の白血病じゃん?・・・お前、あいつのこと
好きになちゃったわけ?」
突然の翠の言葉に僕はかっとした
。
「そんなんじゃ、ねぇっての!!
」
僕は急に顔が熱くなった。と、同時に、怒りが僕を襲った―・・