お話です
□マイロード(野中 花の奮闘記)
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雲一つ無い澄み渡った朝の事。小鳥達の囀りが心地よく聞こえてきた。
「ん〜ッ」
力いっぱいに両手を伸ばし。
「今日も1日がんばるぞ〜」
かけ声が一発…!
長いまつげが開き大きな瞳は開いた。大きな口を開けてアクビをしながら布団からゆっくり起き上がり。
長い髪は、寝相の悪さが物語る雷で電撃を受けたような寝ぐせ。
そのまま無言でスウェットからポッコリ半分ズレぎみの、お尻をポリポリカキながら。
フローリングの床を朝の力のない裸足でペタペタッと真っ直ぐに歩いて窓を全開に次々とダイナミックに開けて行く。
男勝りの彼女の朝は始まった。
通気良くなった部屋の中に朝の湿った冷たい風が心地よく入ってきた。
AM6時45分。
朝のBGMは勿論ハード系だよね。CDコンポのスウィッチをONして…。
ポットに並々の水を入れてコンロに火をつけてオッケー!、卵を五個手際よく次々と割ってボールでシャッフルして。おっと忘れちゃいけないのは、フライパンを熱しとかないと。スクランブルエッグを作り終わる前に。ウィンナーは二袋分を一気に切って炒める。
何しろ5人分の朝食を作るから手際良いったらありゃしません。
朝食作りながら…朝の爆発した髪をカールして…一応、女性ですからね。
ダイニングテーブルに5人分の朝食が置き終わる頃から一人ずつ登場する4人の男達。
「おはよう」
一番乗りは髪を朝からバッチリワックスでキメてる次男、中学三年15歳。(野中和也)、学校では甘いマスクでスポーツ万能、優しくて正義感溢れるイケメン四天王の一人らしい。
次に登場するのは長男の(野中健太)高校二年、16歳。ちょっと色白の柔らかい顔つきがあどけない最近、部活のサッカーの傍らで、バンドのドラムを始めて髪は金髪ツンツンにして大きなピアスとかしてる。音はまじめで優しいからギャップあるね。
お次に登場したのは三男の(野中 優)甲高い声が我が家を明るくするまだ可愛い小学二年、七歳。
「おはよう」
んっ?布団の中からちっちゃな声であどけないまん丸の目で挨拶してるのが四男(野中 明)保育園生の年長、六歳。
四人男兄弟だ。
そして私(野中 花)は…四人の子供を育てるシングルマザー。
家族構成をゆっくり話してる時間は無いの〜。
化粧水パタパタッ、乳液パタパタ、化粧下地オッケー。ファンデーションに、お気に入りの淡い水色のシャドウを目のキワにスゥ〜ッと馴染ませてマスカラして、クルンッとビゥーラーで睫をあげて最後に明るめの口紅をして。
かっ髪のカーラーとって。巻き巻きカールセット完了!
んっ? 嫌な予感がして四男の明(あきら)を見ると…布団の中じゃんーー。
「あきら−ー!早く起きて!!」
は〜っ先が思いやられます。
野中 花(のなかはな)の奮闘記をお楽しみに。