S.S. Dream
□おなまえおしえて?
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学校に生えてる大きな木。
大きな木と言っても沢山あるのだけれども、その中でも離れたところにぽつんと一本で生えている木の下で自分の好きな本を、誰にも邪魔されずに、一人で読むのがなまえの最近のハマりだった。
ぽかぽかとした陽気の中、なまえは本を開いたままウトウトし、そのまま眠ってしまった。
どれくらいか眠り、はっと目を覚ますと、一人だったはずのその場所には知らない人が自分と同じように本を開いて座っていた。
また、彼も自分と同じように眠っているようだった。
ローブやネクタイの色から、その人はスリザリン生であることが解った。
色白…というよりは青白い肌に長いまつげ。
じい、と顔をのぞき込んでいると、彼の目が薄く開いた。
「ん…僕、寝てた…ん、だ…!?」
目覚めた彼はなまえを見て驚き、立ち上がった。
「あ、ごめんね、起こしちゃって…」
申し訳無さそうに彼女が謝ると、彼も驚いてすまない、と小さく謝った。
しかし、彼はまた驚いた…いや、少し怯えたような顔をした。
「君…グリフィンドール生、なの、か」
「?えぇ、そうだけど…」
それがどうかした?と訊こうとする前に彼は走り去ってしまった。
「…何よ、あれ…感じ悪いなぁ」