S.S. Dream
□HappyHalloween
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薄暗く、しんと静まった廊下。
氷の刃みたいな冷たい風が頬を掠める。
スネイプの私室がある地下は此処よりもさらに薄暗かった。
重く閉ざされた扉をノックする。
返事はない。
もう一度ノックした。
するとギギ…と自身を軋ませながら扉がゆっくり開いた。
隙間からちらりと見えたスネイプの表情はやはり不機嫌そうだった。
それでもノックしてきたのがなまえだと解ると、彼の表情が少しだけ緩んだ。
「何か用かね?」
「大広間から先生が消えたから…」
「当たり前だ。あんな馬鹿げたものに付き合いきれない」
スネイプはちらりとなまえを見て、それから溜息を吐いた。
「…はいれ。」
そう言うと扉を開け、自身はすっと中に消えた。
なまえは言われたとおりに中にはいり、扉をぴっちり閉めた。
地下は驚くほど寒いのに、スネイプの私室は暖かかったため強張った体が軽くなる。
こぽこぽとカップに紅茶を注ぎ、スネイプはそれをなまえに差し出した。
「飲むといい。その格好では体が冷えただろう」
全体をオレンジでまとめた、太股丈の短いスカートに背中が大きく開いた服。
誰がどう見ても防寒性に欠けているのは明らかだった。