ドロップ
□第1戦 ドロップアウト
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・ドロップ
…「したたる」
「おちる」
「しずく」の意
―転じて
特定の集団や社会から脱落することを
『ドロップアウト』というそうだ
「なんだてめェ、 怪我したくなかったら黙ってすっこんでろ!」
「俺らに掛かってもその綺麗なお顔が傷つくだけだぜお嬢さんよォ」
どうしてみんなこんなに馬鹿なんだろう?
下らない自尊心の為だけに、卑劣な暴力を繰り返す。
陰に潜む孤独を避けて、上辺のみの括りに身を寄せる。
社会なんて、集団なんて、誰が決めた?なぜそこに収まる必要がある?
もしも その集団が、社会が、偽りで取り繕った群だとしたら?
脱落することは、醜い姿なんだろうか。
「なんか言わんかオイ、聞いてんのか女!」
かく言うあたしもまた馬鹿なんだろう、懲りずにこんなとこに立ってるのだから。
――でも、馬鹿は馬鹿でも――
「ねェ…黙ってくんない?」
こいつらみたいな、弱くて小さくて、どうしようもない馬鹿は嫌だ。
「んだとコイツ!」
「もっぺん言ってみやがれ!」
どうせなら
誰にも屈することのない、とんでもなく大きな馬鹿がいい。
「いッいてててて!」
「黙ってって言ったの」
秒でねじりあげた男の腕をきつく締めながら、可哀想にがたがた震える目の前の集団にも痛いほど冷えた眼を向ける。
「な…な…何だ今の…」
「こいつやべえんじゃねえかオイ!?」
人はこんなあたしを、超絶の不良とか、最強最悪のヤンキーとか呼ぶけど。
「お…お前はまさかっ銀魂高のっ………
あの………っ!?」
違う。
あたしはただの――――
ドロップアウト組
ただただ滴る あたしの学園生活。
ドロップ