ドロップ

□第3戦 性格は別として
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2時限目の授業が終了し、早くもかったるくなってきた俺は 人がごった返す廊下をぶらついた。
どこに行くかって?

んなモン決めて歩いてるわきゃねーだろ。
あてもなくふらふらすんのが楽しいんだ。


そんな俺が思わず足を止める。


ここは…

『3−B』

意識してたわけじゃねェ、
ましてアイツのことを考えていたわけでもねェ。
なのに、なんで俺ァこんなとこにいるんだ?

「きゃああちょっと!沖田くんよZ組の!」
「誰に用だろ?」

なにを勘違いしたのか、女子生徒たちが騒ぎ始めた。
きーんと甲高い歓声を、おぉう、と引き気味に受ける。だいぶ慣れたが最近はいつもに増してすげえきがする。

別に、大した事で来たわけじゃねーんだけとな。


「お〜い、そこの女」


あえておとなしそうな奴に声をかけてみる。机で本を読んでいたその女は、びくっと肩を震わせた。



「え…わたしですか?」

「おぅ。このクラスに境って女はいるかィ?」

「は、はい…。いますけど」



うろたえながら答えてくる。どんだけ気が小せェんだよ。俺そんなこええか?


「今いるか?」
「いえ…今日はまだ来てませんよ」

「まだ?これから来るんですかィ」

「わかりません…。花音ちゃんは登校の仕方が不規則っていうか。よく遅刻してくるし、来ないってときも1週間に1・2回ありますよ」


知らなかった。
…まあうちの高杉みたいなモンか。
来てる日も多い分、奴よりはマシかもしれない。


「わかりやした。悪かったなァ邪魔して」

じゃ、と教室を後にしようとすると、呼び止められた。


「待ってください!」
「あ?」

振り向く。

「あの…知り合いなんですか、花音ちゃんと」

知り合い…?
あの女の態度、言葉、どれをとっても敵意むき出しだった。目が二つあるんだからいっこくらい機能させろとかすげぇ次元から暴言吐かれたし…

「…まァ、一応……?」


どこが一応なんだ?



言ってて自分でつっこんでしまう。
この女、アイツの友達なんだろうか?

…いやいやいやいやいや。
これ友達だったらある意味問題だろィ。
だって想像してみろ、並んで喋ってるとことか想像してみろ、

恐喝以外のなんでもないだろィ。

でも、もし友達なら…
なんかいろいろ言ってくるかも。あの子を宜しくお願いします的な。

「そうですか…すいません、引き留めちゃって」

予想に反して、女はあっさり引き下がった。
ほら見ろ総悟、お前の考えすぎでィ。


「別に大丈夫でさァ」

ひらっと手を振って、俺は今度こそ教室を出た。

外にはぬけるような青空が広がっていた。
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