ドロップ

□第11戦 気づいたこと
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目を開くと、目の前に
………沖田の顔があった。


ドカッ

「いってぇ!!」
「ちっ……近い!!」


あたしは頬に手を添えて叫んだ。


「いやー花音の寝顔が可愛いかったもんで」
「変態 ドスケベ死ね」

「男なんてのぁみんなそんなもだぜぃ」


睨みをきかせて言い放っても、むしろにこにこして言うもんだから頭にくる。

第一、…………恥ずかしい。

寝顔をさらした己に嫌気がさす。なんて隙を作ったんだろう。

「はぁ…………」

「あー写メとっときゃよかった」
「本当殺すぞ」

「そんくらい可愛いかったんでさァ。」

「…女たらし」

「花音限定だぜ」



言われて、思考が停止する。
…は?

あたし、だけ?
よく意味がわからなかったけど、なんだか顔が熱かった。


「なぁ、顔赤いですぜ」

「…ほっといて。」


顔を背けると、動きを阻止される。


「なに」
「別に」

「意味わかんないんだけど…」


あたしは体を起こした。沖田との距離がぐっと近づく。

訳もわからず、鼓動がほんのわずかに速くなった。


「深い意味はありやせん。そのまんまですぜ?」

「…よくわからない」



まあそれならそれでいいぜ、今はまだ、とかわけのわからないことを言ってウインクしてきた沖田にイラッとする。
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