人の血 鬼の血 徒然編

□第18章 ドウシヨウ
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闇の中、沈む声。


「……うん、そう…真選組に……

うん 怪我…?

あぁ、わかった。……当たり前でしょ」

傷が癒える

そのトキまで―――――







深呼吸をした。
身体を伸ばして息をはき出す。

吸い込んだ空気が全身に染み渡っていくのがとても気持ちいい。

夜の闇に溶けかかった体が、実体を取り戻していくようだった。



「さーて今日も元気に」


ドッカァァァァァァン!!


「総悟ぉおおおお!」



立ち上る黒い煙幕にあたしはため息をついた。

いい加減にしろよ、何いまの。

今絶対『今日も元気にドッカァァァァン』ってなったよ。

セリフとかぶって元気出すぎちゃったよ


「お 千鶴おはようごぜェます」

「……おはよう」



涼しい顔して向こうから歩み寄ってきた隊長。

微かな火薬のにおいが鼻をかすめた。

「毎度毎度ご苦労なことで」

「バズーカに始まりバズーカに終わるのが常識でさァ」

「知らねーよどこの星の常識だよ」
「サディスティック星」


さらりと返された。


「副長、いつか死んじゃうよ」

「それが、中々死なないんでさァ。
どうしたもんかねィ」


バズーカに体重をかける隊長。

副長って…大変だな。


「あ、そうそう千鶴
今日の市中警邏、俺なんだけどついて来るかィ?」

「え…いいの?」



大きく頷く隊長

弾む胸。軽い体を伸ばして、隊長の服を掴んだ。


「楽しみ!」

「そうですねィまず団子屋に行って」
「いやそれは違うよね、それは警邏とは呼ばないね。サボりだよね」


こんなんで本当に治安を護れるのだろうか。

まったりした朝の屯所に疑問を抱きながら、あたしは食堂へ向かった。

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