ドロップ

□第4戦 雲のない空
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どういうことだ?

B組からZ組へ向かう道のりで、俺はずっと思案を巡らせていた。

朝に来た、でもあの女は一度も見ていない。

まさか…幻覚か!?アイツが来るように念じて登校してきた俺の見た、幻覚なのか!?


恐ろしい疑惑に、俺はへんな汗をかいた。やべぇ、もしそうならいろいろと重症だぜィ…


「…ご………総悟!!」

「うおわっ……驚かすんじゃねーよ土方の分際で!マジ死ねちんかす」

「誰がちんかすだァァおめーがぼーっとしてっからだろ!」


ぼーっと? んなはずねェ土方じゃあるめーし…


「聞こえてるからな」


ぼーっとなんてしてねェ、ただ考えてるだけだ。

幻覚…では、ない気がする。確かにあれは花音だった。

じゃぁ…なんで教室に行かなかった?

…ん?「行かなかった?」

……そうか、『教室には』行かなかったんだ!

じゃあ、どこに? 教室じゃないとしたら、…アイツの行きそうな…

まさか


「!?オイ総悟、どこいくんだオイ!?」


「土方さん、俺ァちょいと具合がわりーもんで保健室行ってきまさァ」

「はァ!?お前バリバリ走ってんじゃねーか!」

細かいことは気にすんな!
叫んで、俺はまぶしい陽の射す廊下へ飛び出した。

もちろん保健室なんてハッタリだし、そこに奴がいるともあんまり思えなかった。だがもう一つ、学校来ないようなやつがいきがちな場所。一応風紀委員のはしくれである俺には、心当たりがあった。



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