ドロップ

□第11戦 気づいたこと
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「……どうして沖田はあたしに付き纏うの」

「だーから、お気に入りだからでさァ」
「なんで」


そう聞とく、沖田は少し考えてから笑った。


「それは、さっきの意味がわかったときに教えてやりまさァ」

「……… っ」

ムカつく!!!!
なんか上からだし、偉そうだし。

むしゃくしゃして、あたしは立ち上がった。ゆっくり見上げてくる沖田に叫ぶ。


「……もう行くから!」

「おー、これ持っていきなせェよ」

差し出されたなっちゃんを引ったくり、一気に飲みほす。

ボトルを投げつけたときの沖田の顔が最高にムカついて、あたしは駆け出した。


「あんま無茶すんじゃねーぞー」
「か、関係ないでしょ!」

扉のところで振り返って叫ぶ。

ヒラヒラ手を振る沖田がいた。

「じゃあね!」

バタンッ!
扉を閉じて、あたしは階段を駆け降りた。

…………もー、ムカつく!!!

子供扱いされたみたいですごくいらついた。

なんでもわかってるみたいな顔して…

『花音限定だぜィ』

何が?
お気に入りなのが?
…なんでお気に入り?


そして、どうしてあたしは

こんなに必死に考えてるんだろう?
………わからない。

―――ならいいんでさぁ


足を止めて、なんとなく振り返る。

いつか、わかるの…?
そんな日が、いつか来るのかな。

ポケットからはみ出てる白い紙きれをみて、あたしは再度それを押し込むと ゆっくり歩き出した。


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