人の血 鬼の血 徒然編

□第23章 赤キ瞳ハ
2ページ/4ページ




「来たなァァ」
「天誅ゥゥゥ!」

ドォォォン!

「チッ バズーカ砲…」


かわした土方は刀を抜き構える。

「総悟!」当然の如く呼ばれ顎をしゃくられるが俺は抜刀しながら首を振った。


「バズーカは持ってきてませんや。今日はこっちで俺も参戦します」


シャンと刀を構えれば土方の舌打ち。

「てめーは肝心なとこでどうしてそう役に立たねんだよ!」

「いえいえ土方さんには負けまさァ」

キィン カァン!

俺と土方さんは同時に前へ踏み込み刀を振って無数の弾丸をはじいた。

ぎょっとする気配が伝わる。

間髪を入れずに銃を構えていた二人の背後から白い陰。

「うわぁぁぁ!」

「旦那!」

「オイてめーら余計なことすんな!」

「何言ってんだへっぴり腰3人揃って

加勢してやってんだ有り難く思え」

「そうだヨ!お前らなんかに千鶴を任せてられないネ!」


チャイナ娘の豆鉄砲、残った銃士の足元を確実に仕留める。

旦那と土方さんがさらに一階上へあがり浪士を倒していった。

真選組に万事屋、両者の怒涛の攻撃に怯む浪士。

さらに俺と近藤さんが数人を斬り殺したところで集団がいきり立った。


「静まりやがれ裏切り者ォォォ!」



"裏切り者"


天人と、それに媚びる幕府を倒さんとする攘夷志士に、その手から幕府を護らんと立ち向かう真選組。

浪士がこの言葉を真選組に投げつけるのは珍しいことではない。


――――だが。

真選組は知らない、

今の言葉がこの場にいる全員に当て嵌まり、心の内でそれに気づいている者たちがいることを。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ