たからばこ
□駆け引き
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静かな保健室に風鈴の音が響く
熱中症になるなんて初めてのことで、授業が休めるなんて考えていた自分の馬鹿さ加減に呆れた。
「沖田ーっ生きてる?」
ノックをして風音が入って来た。
「今授業中だろ」
「銀八だから問題ないでしょ」
クスリと笑ってポカリを渡された。
「随分気前がいいですねィ」
「今日だけに決まってんじゃん」
水分取っときなよと笑う風音がやけに大人っぽく見えた。
「沖田が寝込むなんて珍しいから
「結野アナは晴天って言ってやしたぜ」
「そう、じゃあその予想は外れだね」
「もし雷が鳴らなかったら 」
そう言うと風音は目を見開いたあとに少し頬を赤く染めて頷いた。
そしてチャイムの音と同時に教室に戻っていった。
「晴れろよ…」
独りになった保健室のベット脇の窓から空を見上げてそう呟いた。
駆け引き
(一緒に祭りに行きたいが為に貴女にそう言って)