短篇集
□地上の七夕
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「桜子ちゃん何してんの?」
「うおわぁぁ!!!なによジミーおどかすな!」
「いや…そんなびっくりする?」
で、なにしてんの?と覗き込んでくるジミー。
「…今日はなんの日だ」
「え?今日…あ、もしかして七夕?」
「ピンポーン!!地味なのにやるね!」
「地味は関係ないでしょ。で…それ、ひょっとすると短冊?」
「うんっ
今日は七夕祭りだからね!副長に許可もらってくる!!」
ジミーの分、と青い短冊を渡す。…正しくは押し付けた。
受け取ったジミーはペンを取り出し口元にあと、短冊をぴらぴらとふった。
「う〜ん…どうしよう…」
悩んでる悩んでる。
よーし、みんなに書いてもらうぞっと!
夜までに準備しなきゃね。
「ふっくちょぉ〜!!」
飛び出すように部屋から廊下へ走り抜けていった桜子のあと一歩遅れて、風流がちりんちりんと涼やかな音を転がす。
徐々に暮れてきた縁側のそとに山崎は目を細めると、ひとつ笑みをおとして短冊に向き直った。