mistero mondo

□第二刃
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「たしかこっちの方から声が聞こえた気がするんだけどなぁ」

そう思い辺りを見渡していると倒れている人の姿

そちらへ行ってみると、周りの家の壁にまだ真新しい血しぶきの痕

血しぶきの量、そして未だに流れている血の量からしてとうに致死量は過ぎているだろう

よくわからない場所に来て早々、人が殺された事件現場に来てしまうとは何と運の悪いことか、と考えていれば、亡骸の側でごそごそと何かが動いている

よく見れば人のようで、血が流れ出している箇所に顔を近づけている

その人の髪の色は真っ白で、それを見たアリスは驚いて固まってしまった

だがその人影がこちらを見た瞬間、紅い目が目にはいり我に返った

それはもう人ではなく化け物となっている

すると突然

??「血ぃ…血をくれ…」

と掠れた声が聞こえてきた

逃げようとしたが、逃げても直ぐに捕まってしまい後ろから切られてしまう

幼い頃剣道を少々やっていたことを思い出し応戦してみることにした

羅刹はアリスに斬りかかって来たので姿勢を低くし一番高く振り上げた瞬間にスライディングの要領で亡骸の側まで行く

その亡骸は武士だったようで刀を持っていた

持っていなければ応戦もなにもないので運が良かったと考え

その刀を拾い上げると刀を鞘から抜き放ち剣道の構えをとる

その間に羅刹もこちらを振り返り、再度斬りかかってきていたのでそれを刀で受け止める

力をいれていた腕から少しだけ力をぬいて倒れかかってきたのを横に避け相手の後ろから鞘で首に打撃をいれる

怯んでいる羅刹の後ろから刀で心臓を突く

ドサッ

骸と成った羅刹は重力に逆らう術を知らずに地面へ倒れこんだ

「ふぅー」

アリスは完全に力をぬいていた



道にはまだもう一体いたようで

羅刹「血だぁ、…その血を寄越せぇ…」

「まだいたの?」

そう思っていたらその羅刹は何者かに後ろから斬り殺された

「そこに居るのは誰ですか?」

??「あ〜あ、全部僕が殺そうと思ったのに、もう一体を殺したのは君?」

どこかで聞いたことのある声

そう思い後ろ向き走り出そうとした瞬間ヒヤリと首に何かが当たり痛みを感じた

??「逃げたら斬る」

そう言われ、戦意が無いことを表すために刀から手を離し両手を高く上げ相手に見えるようにした

沖田「それにしても変な格好してるね?異人さん?何処から来たの?」

面倒な質問をされたので聞かなかったことにする

沖田「あーあ、僕無視されちゃった。まぁ、良いけど。」

??「おい、総司、無駄話しはいいからさっさと移動するぞ。」

その声を聞いた瞬間、何故自分はこんな所に来てしまったのか、自分の運命を呪いたくなってしまった

土方「おら、さっさとついて来い。逃げたら斬るからな」

そう言われても一人のか弱い女子に三人も武装した男が周りを囲んでいたら逃げたくても逃げられないと心の中で突っ込みを入れながらおとなしくついていくのだった




足を踏み入れてしまった場所が

茨の道だと気がついて、

それでも進んでしまう哀れな主人公










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