桜の華は風とともに
□三輪
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マネージャーがサンライズ・レジデンスの前に車を停めた
夜遅い時間ということもあり、人も車もあまり通っていない
それでも用心して車の周りを確認する
迂闊に外に出ると風斗に怒られてしまうから
しかし、その風斗も今は車の中で熟睡中
起こして荷物を運ばねばならない
「ねぇ、起きてよ。家着いたよ」
風斗「…ん………スー……………スー」
声をかけてみるが、一瞬反応しただけですぐに規則的な寝息が聴こえるようになった
「私も眠いんだけどなぁ」
そういうとタイミングよく欠伸をしてしまう
一行に起きる気配のない風斗を見て溜息
「運ぶか」
キャリーバックを車から降ろしてマネージャーにマンションの玄関を開けながらキャリーバックを玄関まで運んでもらう
私は風斗の腕を肩に回して足を引きずりながら運ぶ
風斗のことをお姫様抱っこして運ぼうかと考えたことは言えない
マネージャーに玄関のドアを抑えてもらい中に入って、そこで荷物を受け取りエレベーターに向かって歩いていく
久しぶりの家
だけど前とは少しだけ違う家なのだと思いながら
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