邸の裏庭

□自惚れかな
1ページ/1ページ


自惚れかな?



沖田「あ、居た、居た」

そう言いながらこちらに近ずいてくる沖田さん

沖田「もぅ、探したんだかね。お昼食べに屋上に行こうよ。はやく、はやく」

まるで子供のようにわたしを引っ張る沖田さんをみてわたしは

つい、嬉しくて『ふふふ』と微笑ってしまった

沖田「何微笑ってるのさ。僕の顔に何か付いてるの?」

『違うよ。ふふ』

沖田「また、微笑う。しかも僕の顔を見て微笑うんだもん。何なのさ」

『え、あぁ、わたしを引っ張る総司が子供みたいに思えて。それでつい微笑ってしまっただけだよ』

沖田「何それ、僕のこと子供扱いするの」

そう言いながら少し拗ねているご様子

気になるのか、

沖田「はやく行くよ」

と、いつもより少し強い口調で言った

土方さんとかに言われたら受け流すだろうにわたしに言われたら拗ねてしまって

それに子供のような行いを他人に見せるのは珍しい

彼が大好きな近藤さん以外殆どありえない

それだけわたしも思われているのかな

遠くから沖田さんの声がする

沖田「はやくってば。お昼休み終わっちゃうよ」

『は〜い、今行くから待って〜』



少し自惚れ過ぎかな?

なんて考えながらもそう考えずにはいられない

わたしの大好きな沖田さんがわたしに対して他の人と違う反応をしてくれるから

そう思うと居ても立っても居られず総司に近ずき

普段は総司から言われる言葉を


『総司、大好きだよ』

思わず言ってしまった言葉

わたしが珍しくそんなことを言ったら珍しく総司も紅くなってしまった

沖田「僕も大好きだよ」

紅くなりながらそう言ってくれた


『ねぇ、わたしって自惚れ過ぎかな?』

沖田「大丈夫。僕なんて君が見てるのは僕だけだと思ってるから」




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ