「おい、起きろ。」 「……」 ――んー? 誰? 「起きろ、バカ。」 「……」 ――ばか……? バカ?! 「オマエが起きないと、起きれないんだよッ! とっとと起きろ、バカ!」 「っ……んー……?」 ――誰がバカだと?! こンの……。 「……わぁっ!!」 ドスッ。 凭れかかっていたモノがなくなり床に落ちる体は、痛みよりも先に大きな音が襲ってきていた。 「っ、いったぁ……。誰がバカだって?」 目の前の紫の瞳が悪びれもなくコッチを見ているから、言いたい事はよく分かった。 「オマエ以外に誰がいる。」 「あのなぁ……。お前……」 |