月光浴


□episode 4
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――部屋に戻るか。

呼び戻す必要もないだろうと歩く俺は、背中からお師匠様の声がして、あと少しで部屋というところで振り返る。

「江流。預けた子を見かけませんでしたか?」

「庭にいると思います」

「困りました。お昼ご飯を持って来たのですが、名を聞いていなかったので呼べません。コレを届けてあげて下さい。はい、二人分のおにぎりです」

「……わかりました」


――あのバカ、やっぱ一発殴ってやる。

余計な仕事を増やしやがって……と、受け取った昼飯を睨んでしまっていた。

まだ庭だろうと探すのに、その姿を見つける事が出来なくて苛立ち始める。

少し奥まで歩いていくと栗色の髪がひょこっと覗いていた。

「おい、バカ。お昼だとよ」

その目の前まで歩いていくと、薄桜色の瞳が開く。


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