月光浴
□椿 ―光明ver.―
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雪の中、庭を兎のように跳ね回る君。
それは軽やかで、舞っているようにも見えた。
「郷、此方へいらっしゃい」
父様の後ろに隠れている君は、小さな手で父様の法衣を掴み、恐る恐る私を見上げる薄茶色の瞳。
「……はじめまして。郷と、もうします」
お喋り出来るようになったばかりだというのに、一生懸命に話す言葉は大人と変わらない。
「小さいのにお利口さんだね」
下げたままの頭を撫でると、私を見て貰う。
君の栗色の髪に触れられる事が嘘のよう。
――待ってたよ、郷。ずっとずっと待ってたよ。
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