ああ、やっぱりそう言うか……と、口の悪いソイツを睨みつけてやろうと思ったのに、今まで以上に近距離で瞳を覗き込まれている。 「っ……。」 ――何だよ、コイツ。……毒舌が顔に合ってねーんだよ。 綺麗だとは思っていたけれど、その顔は女の子のようでもあって、どうしてだか、ヘンに緊張する。 顔が赤くなっていくのに友達の時のソレとは違って、ぜんぜん穏やかじゃない。 「っ。……バカバカうっせー。……とりあえず、布団ありがと」 ――なんか、コイツ、調子狂う……。 敷きそびれた布団を整えた江流はその肩や首を回して、痛いんだろう体をほぐしていく。 「何だよ……。礼なんか言いやがって。……ょうし、くる……っ。」 朝の日課をこなそうと動き出した彼に、疲れが取れていないのは、もしかしなくても俺のせいだと、後ろ姿を眺めている時だった。 「おはようごさいます、お二人さん。江流、今朝はここで食べましょう。運んで来ましたよ」 |