月光浴


□episode 4
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目的を果たそうと手を出した瞬間、俺の手首は掴まれていた。

「……兄様? しつこいなぁ……」

「誰がいつから、オマエの兄様になったって?」

反射的に掴む癖がついている栗色に、ふと夜の散歩を思い出した。

あの時、俺は、お師匠様に何かするんじゃないかと、持っていた札を飛ばしてコイツの動きを封じようとした。

次の瞬間には俺の手首に札が張りついて、一瞬だけ息が止まって動けなかった。

「……あ……ごめん。寝言。どした?」

慌てたお師匠様は俺に駆け寄って、張り付いた札を見ると、微笑んだんだ……。

確かに動きを封じられたけれど、すぐに動けるようになった。

最初は深く考えなかったが、一日経っても目覚めないコイツを見ていて、お師匠様が微笑んだ意味が分かった。


俺の、未熟さも。


「二度も言わすな」

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