後ろから抱きしめる体は俺が思うよりも小さくて、不思議な感じがしていた。 引き寄せるように水辺に戻るとキラキラ光る水晶が栗色を美しく見せる。 そんな姿に、人ではないのでは、と思ってしまう俺がいた。 ――コイツが、欲しい……。 湖から上がる事もせず、浅い場所に座り、コイツの下に滑り込む。 そのままコッチを向かせるように引き寄せていた。 水の分かれる音と同時に、唇が触れる。 「……ぁ……」 耳に届く栗色の声には科があった。 俺が都合良く解釈しているだけだと分かってる。 それすら関係ないんだと、もう一度、触れようとしていた。 ただ求めてしまう。 それだけだ。 「……事故だ」 これは、計算された事故。 |