月光浴


□episode 6
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目の前で栗色は笑っているけれど、昨日もあまり寝ていない事くらい分かる。

隠しているんだろうが、顔色が悪い。

「江流。今日はお遣い? 町に出るって言ってた。」

「そんなところだ」

「ふぅん……。」


お師匠様に頼まれたのは、この栗色に町を見せてやって欲しい、だった。

朝食を取りに行こうとすれば部屋の隅に置いてあるお盆に気づく。

おにぎりの入った包みの下にお師匠様の書いた字が見えたから、本当に今日の予定は一任されているのか……と息を吐いた。

「俺が子供だという事を忘れてはいないだろうか……。」

常識の範囲からいって五つ六つの子だけでオツカイとは……と考えて、確かにあるなと、今度は溜息を吐く。

道中に食べても良いが、朝から動き回ったコイツは腹を空かしているかもしれないと部屋で食べてから出掛ける支度をする。


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