月光浴


□episode 8
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酒は如何なものかと思うが、お師匠様が一人ではないことに綻ぶ口元。

ああいった楽しそうな酒なら良いのではないかと思えて、こうやって一人、慣れない寺で時間を潰している。

見上げた空は、あの日のように雲が闇を深くしていた。


「あの……。郷は何処にいるか、ご存じありませんか?」

「あぁ、独房だろう? そこの突き当たりだよ。あまり近づかない方がいいと思うけどね」

「独房……?」

――寺の皆の、反応がオカシイ。

同じ寺の僧なのに、まるで金山寺での俺と同じ扱いだなと感じながら、言われた部屋の前まで来ていた。

「郷。入るぞ」

ガタッ。

戸に手を掛けると普通のことのように引こうとして、外から鍵がかかっている事に気づく。

――ッ!? 何なんだ、コレは。……これでは本当に、独房だろ……。

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