こうやって見ると、栗色の髪はお師匠様と同じ色で、親子のようだと思う自分がいる。 自分なんかより、なんて考えてしまう自分が嫌になる。 そんな俺の前で金平糖を拾い、眺める栗色。 ふう、と息を吹きかけるとお師匠様の口に入れようとする。 小さい子に言うように優しく響く栗色の声。 「あーん……」 お師匠様も口を開け受け入れる。 この空間が二人だけの世界のように感じた。 金平糖をもう一つ、ふうと吹いて入れようとする栗色がチラッと居ないはずの俺を見る。 「あーん……」 お師匠様に向かう筈だった金平糖は俺に差し出される。 |