月光浴


□椿 ―光明ver.―
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「お師匠様、お目覚めですか?」


「江流……おはようございます」

「お師匠様、もう夕です。昼寝ならもう少し目立たないところでされては如何ですか?」

「此処がいいのですよ、江流。懐かしい夢を見ました。小さな女の子の、小さな歩幅に合わせて、ゆっくりゆっくり庭を歩く夢です。あの頃は江流も小さくて可愛かったですねぇ」

「女の子、ですか?」


「おや、江流はヤキモチですか?」

「違いますよ。不思議に思っただけです」




「――、みて! きれい!」


小さな郷は、雪の上を裸足で、寒さも感じないかのように椿の花に駆け寄る。



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