第1章

□第4話 情報整理と新事実
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 居候も増えたので。

 とりあえず緊急会議を開催する次第となりました。


「―――それでは、第1回『春風家 異世界調査会議』を始めます。」

「おうっ!」

「仕方あるまい…。」



 議長 春風涼華
 書記 前田慶次(形だけ)
 監察 毛利元就
 マスコット 夢吉




「…つまり、俺と元就は同じ日に『此処』に来たんだな?」

「そうみたいですね。」

 会議といっても、先に分かっている慶次君の話を毛利さんに伝え、現状を皆で把握するだけなのだが、やらないよりマシだろう。


「毛利さんが居たのは…恐らく花阪動物園の西にある、山吹の森ですね。」

「俺が居た公園とは全然違うな―。」

「……涼華、『こうえん』とは何ぞ。」

「はい、公園というのは――」


 説明していたら、慶次君が、あ、と声をあげた。



「――そういや、昨日その公園を確認しに行ったとき、変な文を見つけたんだけどさ。」

「…文?」

「初めは無かったのに、一瞬の内に落ちてた。」

「……忍びか?」



 …え!?忍者!!?



 驚いたのは私だけで、彼等は至って真面目に話している。

「いや…俺もそう思ったけどさ、何処にも気配は無かった。」

「…貴様が気付かなかっただけではないのか?」

「ひっでーなぁ。」

「まぁ良い……その文は何処にあるのだ。」

「…えーと少しお待ち下さい。」

 昨日の鞄を持ってきて、あの文を見せた。彼はさっと見てから『読め』と言ってきた。



「……。」

 全て読み終わると、彼は難しい顔をした。それを見て、慶次君が言う。

「『智将』の元就でも検討つかねぇよな―。」

「……智将?」

「元就の呼び名だよ。すんげぇ策士だから、ってそう呼ばれてた。」

「さ、策士!?」



 思わず毛利さんを見た。

 …別に頭悪そうとか思ってた訳では無くて、ただ呼び名が付くほどの事をやっているということに驚いたのだ。

「……毛利さんは…………どういった職業の方なんですか…?」




「―安芸を治めている。」

「(昔の国名?)……安芸………って、えーと…。」

「厳島のあるとこだよ!」

「あ!広島ですね!?」

「「ひろしま?」」

「はい、今の安芸―――――――…あの毛利さん?そこを治めてらっしゃるって言いました…?」

「それがどうかしたか。」



「…慶次君。」

「ど、どーしたよ?顔色変えて……。」

「『自分がいた日ノ本は、戦国の世だった』…と言ってました、よね?」

「うん…?確かに此処に来たばっかのとき言ったけど…。」




 『戦国』
 『安芸』
 『毛利元就』

 …な、なんか…何処かで…というよりは耳にタコができる程、聞かされた気がする…………!!!




「お涼ちゃ「ちょ、待って下さい!!今、物凄いことを思い出しそうなんです!!!!」…えぇ!?」
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