第1章
□第3話 オクラin動物園
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「とりぁっ!!」
慶次がパイプを振るう。すると普通なら考えられない程の風圧が起こり…何故か桜が舞い上がった。
…あれ、今、桜が慶次君の近くから『いきなり』現れたように見えたんだけど…………気のせい?
「そういや元就、アンタなんで此処にいんだ!?」
「好き好んで来たわけではない、我は日輪がよく見える場所を探しているだけよ。」
…にちりん?
「日輪って……今日はすっかり曇ってるぜ?」
「……………………。」
あ、緑の人怒った。
「ってえぇ!?」
「あぶっ…!お涼ちゃん!下がってて!」
下がる?何処へ!?
緑の人がキレた瞬間、其処ら一帯でたくさんの光が爆発した。
なにこれ!夢だよね!?
「日輪を愚弄した罰よ。」
「愚弄して無えからな!!?」
二人は尚も不可思議な……しかも大規模な、喧嘩の領域を超えた戦闘を繰り広げている。
豪風と閃光が渦巻いているのも普通じゃないけれど……二人の動きも常人のものではない。まるで映画でも見ているかのようだ。
緑の人………なんだろうあの華麗なフラフープ捌きは………あ、二つに割れた!
前田さんも凄い、凄い………けども、パイプなので、どうしても不良に見える………あの初めに持っていた巨大刀は様になるだろうか。
いやいや観察してる場合じゃなかった。
「ちょっと二人とも止めて下さい!動物園が壊れてしまいますよ!?」
地面が抉れるならまだしも(?)、檻が壊れたりしたらもう手に負えないだろう…。
ただ、二人の攻防は止む気配がない。
あれ、無視?むしろ聞こえてない?
「こっからが本番っ!」
「参の星よ、我が紋よ!」
――…何となく不味い気がするっ!!嫌な予感がするっ!!!
「いい加減にしなさぁぁぁぁ―――――――――――――いっ!!!!!」
ベキッ!!
「痛ぁっ!!?」
「ぅぐっ…!?」