第1章
□第4話 情報整理と新事実
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波乱の『第1回 春風家 異世界調査会議』再開。
追加要員 源 千夏
「…つまり、此処にいるのは『本物』の、BASARAのキャラクター…って事…?」
かいつまんで、この二日間の事を説明した後 彼女はジッと彼等を観察しながら言った。
「その答えにたどり着いたから…………さっき。」
「今まで気付かなかったの!?」
「だ、だって……普通考えないよ、こんなこと…。」
すると彼女は二人の方に向かって座り直した。
「…別に涼華の言う事を信じない訳じゃないけど、この娘は優しいから。簡単に確かめさせてもらうわ。」
「ち、千夏ちゃん…。」
「いいよ、お涼ちゃん。その…千夏ちゃんの言いたい事はよく分かるし。………でもどうやって確かめるんだい?」
慶次君は笑ってそう言ってくれたし、毛利さんも何も言わないで黙っていたので、ちょっとだけ安心して千夏ちゃんを見詰めた。
「あなたたちは、私が今から言う事を聞いてれば大丈夫だから。」
「??」
要領を得なくて三人して首を傾げていると、彼女は咳払いをしてから口を開いた。
「コホン……『鬼ヶ島の鬼ってぇのは、この俺の事よ!!』」
「…なっ!!!?」
「……っ!!?」
…あ、出た!千夏ちゃんの十八番。
その名も『BASARAキャラ声真似』!!(そのまんま)
私は正直、よくわかんないけど…聞く人は皆、『本物そのもの』と称していた。
まさにBASARAキャラクターの本人たちは、驚きで固まっている。
…ところで今回の真似は誰だろう。
「い、今…元親の声が……!?」
……もとちか?
「…何故、貴様から西海の鬼の声がするのだ…?」
茫然としている二人を見比べ、彼女は満足そうに頷いた。
「――合格、かな。一般人の反応にしては顕著すぎるもんね。」
「…あ、あのさ……。」
何だか一人だけ蚊帳の外の気がしたので、空気を読めていない事を承知で話し掛けた。
「……此処の二人の真似もしてもらいたいな―…なんて…。」
「ん?…『こんな感じで良いかい?お涼ちゃん!』」
「す、凄いっ!!慶次君にそっくり…!」
「…涼華がやっと、声真似を評価してくれた……。」
私は項垂れる彼女と、慶次君を見比べた。
……成る程、さっきも千夏ちゃんは二人の知り合いの真似を完璧にこなしたんだね…!
「おい女、説明せよ。」
「…『我に指図するでないわ。』」
「…………。」
「ゴメンナサイ私が悪かったですスイマセン!!!」
絶対零度の睨みを効かせる毛利さんに、大慌てで頭を何度も下げる千夏ちゃん……。
目があった慶次君も、同じ事を考えているだろう。
…毛利さん半端無いよ!
俗に言うSですよ!!
今朝の微笑みが嘘のように凍りついてますよ!!!